関節リウマチは全身の関節炎を主な症状とする慢性の炎症性疾患です。自己に対する異常な免疫のために引き起こされる、自己免疫疾患のひとつと考えられていますが、その原因はまだよくわかっていません。人口の約0.5%が罹患しているとされ、女性に多く、30歳代から50歳代の発症が最も多いのですが、70歳以上の高齢になってからの発症も少なくありません。一部には自然によくなる例もありますが、多くはよくなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々に関節の変形や機能障害が進んでいきます。
関節リウマチによる関節炎は全身の関節におこりえますが、なかでも指の関節や手首の関節、足の指の関節に比較的多く、特徴的な変形をきたします。もちろん、膝、足首、肘、肩、股関節などその他の関節の炎症や変形をきたすことも少なくありません。また、朝、目を覚ました時に手足や身体がこわばって動かしにくくなる、「朝のこわばり」も関節リウマチの特徴のひとつと言え、病状が重いとこわばる時間も長くなるので、関節リウマチの活動性をみる指標のひとつになります。
関節リウマチの診断は、上記に挙げた症状ならびに各種検査結果(血液尿検査、レントゲン検査、関節エコー検査など)によって行いますが、とくに早期の場合はまだ症状がはっきりせず、診断が困難であることもしばしばです。
関節リウマチによる炎症はときに関節外でも生じ、間質性肺炎などを併発することがあります(「リウマチ肺」と言います)。間質性肺炎はメトトレキサート等の治療薬の副作用で起きることもあります。
さらに、関節リウマチでは、炎症を起こしている関節周りの骨や、背骨など全身の骨密度が減少すること(二次性骨粗鬆症)が多く、また治療薬の一種であるステロイドの内服により骨密度が低下(ステロイド性骨粗鬆症)します。したがって、骨密度低下(骨粗鬆症の進行)に対する治療も重要です。