股関節の軟骨がすり減って関節内で炎症が起こり、股関節の変形や破壊が起こります。女性に多く、臼蓋形成不全と呼ばれる股関節の被りの浅い状態の人に多い病気です。症状は主に痛み、股関節の動きの制限による歩行障害、日常生活動作の困難(物を拾う、足爪を切る)です。治療法として、保存的に理学療法・薬物治療を第一としますが、年齢、関節破壊の程度により、人工股関節置換術、骨切り術を行います。
大腿骨頭への血流障害が起こり大腿骨頭の骨組織が死んだ状態になる病気です。骨頭が潰れると強い股関節痛が起こり歩行困難となります。病状が進行すると股関節の動きも制限されます。治療法として、骨頭が潰れるのを防止するために杖を使うなど保存療法がありますが、壊死組織の場所と大きさによっては容易に潰れることもあり、最終的には手術治療を行うこともあります。手術治療では、年齢・潰れた骨頭の範囲、関節破壊の程度により人工股関節置換術、骨切り術、のいずれかを選択しますが、当科では人工股関節全置換術を主に行っています。
原因は不明で、膝関節にある大腿骨の一部で骨壊死(骨組織が血行障害を起こして死んでいる状態)を生じる病気と言われておりましたが、最近では、脆弱性骨折が主原因とも言われています。主に60歳以上の女性に多く、突然の痛みで発症します。痛みは非常に強く、歩行時はもちろん安静時も持続性の痛みが生じる場合があります。初期の激しい疼痛は、安静にする、杖を使用する、鎮痛薬を使用する等で、軽快する例もありますが、骨・関節の破壊が進行して痛みが軽快しない場合は、当院では、自家骨軟骨移植術や人工膝関節置換手術を行います。