唐突ですが、「研修先選びの極意」を三つお伝えいたします。
初期臨床研修において最も大切なことは、研修プログラムでもなければ、施設症例数でもありません。
実は「どんな人達と一緒に研修を行うのか?」が最も重要なのです。
「とっても辛い2年間」だったのか?「楽しくて仕方がなかった2年間」だったのか?は、「どんな人達と一緒」だったかというグループダイナミックスによって決まります。
今、貴方が「どんな人達」と一緒になるのかは、もちろん測り知ることはできません。しかし、研修医ルームの雰囲気、研修医同士のふれ合いの中からある程度予測することはできます。人気の研修先はおしなべて「みんな仲良し」です。
次に、この2年間「いつも一緒」という環境が大切です。臨床研修という行動学習は独りではできません。あなたの記憶の中で部活の「合宿」って、上手くなった、仲良くなった、楽しかったという思い出があるはずです。人は寝食をともにする仲間の中で育ちます。お互いに競い励まし会える「生涯の親友」に出会っていただきたいと切に願っています。そのためには医師としてのプロフェッショナリズムを高め会える環境がとても重要なのです。
最後に、社会人になってからの価値基準は必ず変化していきます。学生時代の基準と一致しないことが多いので「今の思い」だけでは決めてはいけません。
必ず先輩方に感想や助言を求めてください。貴方が「楽しくて仕方がない」施設に巡り会えますことを心よりお祈りいたします。