昭和59年7月にまだ「あびこ」までしか開通していなかった地下鉄御堂筋線に乗って大阪労災病院に赴任してまいりました。それから40年あまり、留学期間を除いては大阪労災病院の、特に、循環器診療を中心とした高度急性期医療の発展に取り組んでまいりました。このたび縁あって、大阪労災病院特任院長を拝命し、平松院長と協力して大阪労災病院のさらなる発展に取り組んでいくこととなりましたのでご挨拶申し上げます。また同時に労災病院全体の循環器研究に関わる本部研究ディレクターも拝命いたしました。
大阪労災病院は勤労者医療をかかげる独立行政法人労働者安全機構が昭和37年に堺に開設した地域の急性期病院であり、令和4年1月1日60年ぶりの新病院となり循環器疾患(脳・心血管疾患)診療とがん診療を中心にさらなる発展をめざしております。当院では新病院3階には高度急性期医療を展開できるすべての機能を集約し、ハイブリッドオペ室、3つ横並びとなった心臓カテーテル室(そのうち2つはバイプレーン装置)、12床のICU(集中治療室)と16床のHCU(高度治療室、CCU(冠疾患集中治療室)とSCU(脳卒中集中治療室)を含む)を備え、経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)を含めたハートチーム(循環器内科と心臓血管外科)による高度循環器治療や冠動脈・下肢動脈・不整脈治療、ブレインチーム(脳卒中・脳神経内科と脳神経外科)の施行する脳神経血管内治療などの循環器疾患治療(脳・心血管治療)を展開しております。またがん診療においてはロボット支援手術にも力を入れ、最新のダヴィンチを導入し、手術室も新病院から13室から16室に増室しており、地域がん診療連携拠点病院として消化器内科・外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、産婦人科などがんにかかわる診療科が一丸となって侵襲的治療から緩和治療にいたるまで最良のがん治療の提供をめざしております。さらに眼科治療においては全国有数の多くの手術件数を誇る施設であり、整形外科においても脊椎外科、手の外科などに分かれた各専門領域の最新の治療を展開しており、南大阪で最も信頼のできる総合病院をめざしております。
大阪労災病院はこれからも堺を中心とした南大阪の高度急性期医療を中心とした医療で地域貢献にこたえていきたいと考えておりますので、皆様方の変わらぬご支援・ご理解をよろしくお願い申し上げます。
特任院長 西野 雅巳
最前線かつ最良の医療を行います
特任院長 西野 雅巳