がん診療について

口腔がん

Oral cancer

口腔がん(歯科口腔外科)

口腔領域に発生する悪性腫瘍は全悪性腫瘍の3%程度と発生頻度の少ないがんである。部位的には舌・歯肉に好発生し、病理組織学的にはその90%以上は扁平上皮癌というタイプに属する。扁平上皮癌は腫瘍細胞の増殖スピードが速く、かつ転移形成能も高いので、病期がすすむと根治性が低いのが現状である。また口腔という臓器の特性から手術切除・放射線療法・抗がん剤化学療法などの治療を組み合わせて、審美性や口腔機能温存、さらに病気の根治性を考慮しなければならない。手術切除に伴い発生する欠損部には皮弁再建や骨移植を行い、また広範囲の歯牙欠損が生じた症例にはインプラント補綴を行っている。当院では放射線科・形成外科と連携しながら、個々の病態や患者様のニーズに合わせて集学的に効率よく治療を行っている。特に治療後のQOLと治療効果のバランスに重点を置き、手術だけでなく定位放射線療法と化学療法との組み合わせや超選択的動注療法などにも力を入れている。

過去5年間の手術実績
口腔がん 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
舌悪性腫瘍手術 18 11 15 13 14
下顎歯肉悪性腫瘍手術 4 6 5 8 9
上顎歯肉悪性腫瘍手術 1 2 1 2 2
頬粘膜悪性腫瘍手術 2 2 2 1 4
口腔底悪性腫瘍手術 0 1 5 1 2
口蓋/口唇悪性腫瘍手術 2 0 1 1 0
顎下腺悪性腫瘍手術 0 1 0 0 1
頸部リンパ節郭清術 8 10 12 5 9
合計 35 33 41 31 41