独立行政法人労働者健康安全機構 大阪労災病院

文字サイズ変更ボタン
Google WEB全体 サイト内
大労で受診する 大労に入院する 大労を知る 求人情報

がんに関するご相談について

トップページ >がん拠点病院のご案内 > がんについて > 前立腺がん(泌尿器科)

前立腺がん(泌尿器科)

診断

確定診断には前立腺生検術による組織診断が必要です。前立腺生検術が必要かはPSA測定・直腸診・超音波検査・MRIなどで総合的に判断しています。PSA値は前立腺体積によって影響を受けますのでPSADやFree PSA/Total PSAなどを参考にして検討します。

前立腺生検術

基本的に2泊3日の入院で検査を行っています。麻酔は仙骨麻酔と局所麻酔の併用で、経会陰的に12ヵ所の組織採取を行います。直腸診・超音波検査・MRIにて異常所見を認める場合は生検箇所を追加して行います。組織検査結果には約1週間後に判明しますので外来にて結果を報告します。(2012年度前立腺生検術 289件、前立腺癌新規患者数 149名、前立腺がん陽性率 51.5%)

臨床病期診断

病理組織所見にて前立腺癌と診断した場合にはCT・骨シンチグラフィーにより臨床病期(病気の広がり)を診断し、治療方針を決定します。

治療

治療法は多岐にわたっており、臨床病期・年齢・ライフスタイルによって治療法を選択することになります。適切な治療を患者さま・家族さまに提示し、十分な説明を行い、最終的に治療法を決定しています。当院で行っていない治療を希望される方には他施設への紹介を積極的に行います。
当院での治療は手術療法・放射線療法(三次元原体照射)・内分泌療法単独あるいは併用療法などで、最近では無治療経過観察を選択することも増えています。

1.無治療経過観察

前立腺癌と診断した後、治療を施行せず定期的(2−3ヶ月毎)にPSA測定を行います。PSA値の推移により、治療を開始する方法です。状況により前立腺生検術を再検する場合もあります。
すべての患者さまに適応される方法ではなく、D’Amicoのリスク群の低リスク群(臨床病期 T1c-T2a、PSA 10ng/ml以下、Gleason score 6以下)が条件となります。

2.前立腺全摘除術

根治を目指すための外科的手術です。腹腔鏡下前立腺全摘除術と従来の開放手術を行っております。最近ではほとんどが腹腔鏡下手術です。(2012年度 腹腔鏡下前立腺全摘除術 37例、開放前立腺全摘除術 19例)。これは、お臍の右横に1.5cm、お腹の両側に1cmくらいの穴を4か所あけて内視鏡的に行う手術です。この方法は、開放手術に比べ術中の出血や術後の痛みが少なくなります。いずれの方法でも約2−3週間の入院が必要となります。合併症として代表的なものに尿失禁・勃起不全などがあります。尿失禁に関して手術直後は高頻度ですが、約80−90%で2−3ヶ月後には消失または日常生活に支障を来さないレベルに安定します。勃起不全に対しては神経温存を行うことは可能ですが、癌の局在部位によりすべての患者さまに施行できるものではありません。

3.内分泌療法と放射線療法の併用(あるいは放射線療法単独)

外科的手術を施行せず根治を目指す治療方法です。内分泌療法はMAB(LH-RHアナログまたは去勢術と抗アンドロゲン剤併用)を基本とします。まず1年間内分泌療法を行った後、放射線療法(三次元原体照射)70Gyを行い、その後も内分泌療法を継続し、計3年で治療を完了します。放射線治療による合併症は、血尿(膀胱出血、尿道出血などによる)、血便(直腸出血などによる)などがみられます。詳細については放射線治療医より説明があります。

4.内分泌療法

男性ホルモンを抑制し、癌を縮小させる治療です。基本的には生涯治療を継続します。内分泌療法はMAB(LH-RHアナログまたは去勢術と抗アンドロゲン剤併用)を行います。初回治療の効果は高く、95%以上でPSA値の低下を認めます。副作用としては体のほてり・紅潮・発汗過多などがありますが、SSRIなどの薬物療法にて対応しています。適応は1−3の治療を希望されない場合、リンパ節転移や骨などへの遠隔転移を有し全身療法が必須である場合です。

内分泌療法の再燃には?

臨床病期や組織学的所見によっては内分泌療法の効果がなくなる場合があります。いわゆる再燃の場合は抗アンドロゲン剤交替療法を行います。第1選択薬のカソデックスから第2選択薬オダインに変更する方法です。約20−30%にPSA値の低下を期待できます。抗アンドロゲン剤交替療法の効果がない場合は抗癌剤による治療(エストラサイト・ドセタキセル併用療法)を積極的に行っています。また抗癌剤を使用できない場合や無効の場合はステロイド療法を施行しています。

このページのトップへ